「時短正社員を辞めるのは、もったいないのかな?」
仕事を辞めたい。でも、せっかく正社員として働いているのに、辞めてしまうのはもったいない気もする。収入が減るのも不安だし、辞めたあとに後悔するかもしれない。
そんな気持ちがあって、なかなか決断できずにいました。
それでも、心の中では「もう辞めたい」という気持ちが大きくなっていました。
本当は、誰かに「辞めても大丈夫」「辞めてよかったよ」と背中を押してほしかったのだと思います。
私は転勤族の妻です。正社員として働いていた会社を退職したあと、パートとして働いた時期を経て、現在は専業主婦として暮らしています。
そんな私が今、はっきりと言えることがあります。
たとえ収入が増えても、以前の働き方には戻りたくない。
もちろん、仕事を辞めて失ったものもあります。お金の使い方は変わりましたし、今でも周りを見てうらやましくなることがあります。
それでも、今の生活を手放したいとは思いません。
この記事では、時短正社員を辞めて実際に何が変わったのか、よかったことだけでなく、お金のことや今でも感じる葛藤も含めて、正直にお話しします。
今、仕事を辞めるべきか迷っている方の判断材料になればうれしいです。
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1.時短正社員を辞めて変わった、毎日の暮らし

整った部屋で過ごせるだけで、心に余裕が生まれた
私が時短正社員をしていた頃は、掃除機をかける気力すらありませんでした。
洗濯物は畳めず、くしゃくしゃになった服の山から着るものを探し出して着る。
家の中をきれいに保ちたい気持ちはあっても、仕事と子育てで精いっぱい。そこまで手が回りませんでした。
やっとの土日は、まずは溜まった家事からスタート。
半日かけて何とか終わらせ、スーパーへまとめ買い。残った数時間で公園で遊ぶのがデフォルトでした。気づいたら休日が終わっていて、休みのはずなのに、ゆっくり休んだ記憶はありませんでした。
仕事を辞めてからは、日々の家事に時間を使えるようになりました。
掃除機をかけ、洗濯物を畳み、散らかった部屋を片づける。
以前は後回しにするしかなかったことが、少しずつできるようになりました。
そして、気づいたのです。
整った部屋で過ごせるだけで、こんなにも心穏やかに過ごせるんだ、と。
部屋が散らかっていると、それだけで気持ちが落ち着かない。片づけなければと思いながらも、目の前の家事をこなすだけで精いっぱい。そんな小さなストレスが、毎日積み重なっていたのだと思います。
もちろん、正社員として働きながら、家の中もきれいに保っているママはたくさんいると思います。でも、私のキャパでは無理でした。
仕事も子育ても家事も、全部きちんとこなそうとすると、どこかにしわ寄せが来る。私の場合、それが家の中であり、自分の心の余裕だったのだと思います。
仕事を辞めて、何か特別なことができるようになったわけではありません。ただ、家を整え、落ち着いて暮らせるようになった。
それが、私にとっては想像していた以上に大きな変化でした。
そばで見て初めて気づいた、子供の勉強。「やった」=「できた」ではない
時短正社員を辞めてよかったと感じることの一つが、子どもの勉強をそばで見られるようになったことです。
息子が小学校に入学した当初は学童に通っていて、宿題を終わらせてから帰ってきていました。
宿題が終わっているので、親としてはひと安心。でも、家で勉強する様子を見ていると、気になることがいくつも出てきました。
漢字の書き順が間違っていたり、分からない漢字を教科書で調べて書いていたり。
宿題は終わっていても、正しい書き順が身についているとは限らない。問題の答えを書けていても、自分で考えて解けたとは限らない。
分からないことを調べるのは、決して悪いことではありません。ただ、宿題が終わったという結果だけでは、どこでつまずいているのか、何を覚えていて何を覚えていないのかまでは分かりません。
実際に問題を解いている様子を見ていると、答えだけでは分からない、子どもの理解度や学習の癖が見えてきます。
特に小学校低学年のうちは、こうした日々の小さな気づきが大切だと感じています。
仕事を辞めたからといって、子どもの成績が必ず上がるわけではありません。それでも、子どもがどこまで理解できていて、どこでつまずいているのかを知れることは、私にとって大きなメリットでした。
2.時短正社員を辞めて、失ったものもある

収入が激減して、お金の使い方が変わった
正社員として働いていた頃は、今思えばかなり気軽にお金を使っていました。
デパートで数万円のスーツをポンと買ったり、欲しい物があれば迷わず買ったり。
外食も「今日は疲れたし、外で食べて帰ろう!」と気軽に提案していました。
それが今では、GUで服を買うのにも迷います。外食も、メニューを見ながら「これでこの値段か……」と考えてしまったり。以前よりも出費を気にするようになりました。
ちょっと高いものを買うときには夫に相談するようになりました。夫はお金にうるさい人ではないし、買うなと言われるわけでもありません。それでも、以前のように自分の判断だけでポンと買うことが、なんとなくできなくなったのです。
そんな自分と比べてしまうのが、きれいな服を着て颯爽と歩く女性や、経済的な余裕がありそうな専業主婦です。
バリバリ働いて、自分の好きな服を着こなしている女性を見ると素敵だなと思うし、うらやましくもなります。同じ専業主婦でも、好きなものを買い、身の回りのものをきれいに整えて暮らしている人を見ると、いいなと思います。
それに比べて、全身GUの自分。もう少し好きな服を着たいし、値段を気にせず買い物を楽しみたいのに、それができない。そんなとき、少し惨めな気持ちになることもあります。
わが家は、夫婦で働いていた頃に貯金・投資をしてきたこともあり、家計が苦しいわけではありません。子どもの習い事など、必要だと思うものにはしっかりお金をかけています。
それでも、自分で稼いだお金を、自分の判断で自由に使えること。それは、思っていた以上に大きなものだったのだと、正社員を辞めてから気づきました。
憧れていた「バリキャリ」の自分を手放した
私はもともと、バリバリ働く女性に憧れがありました。
ピシッとスーツを着こなし、颯爽と歩く。仕事をテキパキこなし、自分の力でキャリアを築いていく。そんな姿がかっこいいと思っていました。
実際に正社員として働いていた頃は、仕事にやりがいを感じることもありました。自分で稼いだお金で好きなものを買えることも、仕事をしているからこそ得られる自信もあったと思います。
だから、仕事を辞めることは、単に収入が減るというだけではありませんでした。
あんなふうにバリバリ働く自分になること。仕事を続けて、もっとキャリアを積んでいくこと。そんな未来の可能性を、自分から手放したような気持ちもあります。
今でも、スーツを着て颯爽と働く女性を見ると、素敵だなと思います。もし仕事を続けていたら、今頃どんなふうに働いていたのだろう、と考えることもあります。
仕事を辞めたことを後悔しているわけではありません。でも、憧れていた自分の姿を、完全に諦めきれたわけでもないのだと思います。
3.それでも、常に時間に追われる生活には、もう戻りたくない
時短正社員のワーママとして働いていた頃は、毎日が戦場のようでした。
悩んでいる暇もないくらい、常に次の予定を考えていました。
「あと5分で夕飯の下ごしらえを終わらせて、子供の仕上げ磨きをして、8時半に園に送ったら、9時からの会議に間に合うだろう」
「今日はスイミングがあるから、お風呂は17時に予約して、疲れて早く寝るだろうからサッと食べられるメニューにして・・・」などなど。
仕事の予定だけでなく、家事や子どもの予定もすべて頭に入れ、どうすれば時間どおりに回せるかを考え続ける。いつも頭をフル回転させて、何とか一日を乗り切っていました。
専業主婦になったからといって、家事や子育ての忙しさがなくなったわけではありません。子どもの宿題を見たり、習い事の送迎をしたり、やることは今もたくさんあります。
それでも、子どもが学校に行っている間に買い物や掃除をしたり、授業の進み具合を確認したり、使いにくいと思っていた収納を少し変えてみたり。そんな、何でもない日常のことに時間を使えるようになりました。
正社員として働いていた頃は、そうしたことをする余裕すらありませんでした。
SNSで見かけるような「家事が捗る神導線」みたいな記事も、保存するだけ。暮らしをもっと快適にするための工夫なんて後回しで、とにかく今目の前の家事を処理するので精一杯でした。
今振り返ると、私が欲しかったのは、単に自由な時間ではなかったのかもしれません。
目の前のことをこなすだけでなく、「ここをもう少し使いやすくしたい」とか「子どもは今、どこまで勉強が進んでいるんだろう」と考え、実際に手を動かす余裕。そんな、普通でささやかなことができる暮らしでした。
もちろん、収入が増えることは魅力的です。自分で稼いだお金を自由に使える生活にも、今でも憧れます。
それでも、常に時間を計算し、次の予定に間に合わせることに追われる毎日には戻りたくありません。
私にとっては、収入やキャリアだけでなく、自分の暮らしを自分の手で整えていけることも、手放したくないものだったのです。
4.時短正社員を辞めるのは、もったいない?

今でも、仕事を辞めたことをもったいなかったと思う瞬間はあります。
パートの求人を見ていて、時給1,200円と書かれているのを見ると、正社員として働いていた頃の収入を思い出します。あの頃は、今よりずっと稼げていた。これから先、あれほどの収入を得られることは、もうないかもしれません。
そう考えると、自分の将来のキャリアが不安になることもあります。仕事を辞めずに続けていたら、今頃どんな働き方をしていたのだろうと思うこともあります。
それでも、小学生の子どもを持つ母親として、今の選択はよかったと思っています。
正社員を辞めたことで、収入やキャリアを失いました。これから先、以前のように稼げるようになるのか、不安がないわけではありません。
それでも、今は子どもの勉強をそばで見たり、家の中を使いやすく整えたり、以前は時間がなくてできなかったことに時間を使えています。
この先、子どもが成長したら、また働き方を考えるかもしれません。今の働き方が、この先ずっと続くとは限りませんし、将来のキャリアへの不安がなくなったわけでもありません。
それでも、今の子育ての時期に、子どもや自分の暮らしに時間を使うことを選んだ。その選択を、私はよかったと思っています。
転妻つくし 